反転授業:サンゴが作る地形  2022.5.19 田中




.さんご(珊瑚)とは
 サンゴは植物ではなく{ 動物}。{ イソギンチャクやクラゲの仲間の刺胞(腔腸)動物で、触手の毒針で動物を捕らえる。食べ物と排泄物が同じ口で出入りし、大きさは0.5mm~1cmぐらい。
また、他の腔腸動物とは異なり、個体が分裂して{ 群体 }を作る。一つの群体には数百~数万の個体が集まる。
 水温18~30℃の暖い海域に生息。熱帯・熱帯の海岸に分布。


2.サンゴの種類と特徴
 サンゴは4億6000万年前に現れた。サンゴは、サンゴ礁を作る{ 造礁 }サンゴと単体で生息する{ 非造礁 }サンゴに分類される。
 造礁サンゴは、生きている群体の下に石灰質石の骨格を作り、成長とともに石の骨格が増大。形は枝状、塊状、テーブル状など、環境で様々。造礁サンゴは、体内の{ 褐虫藻 }の光合成用に光が必要で、光が届く水深10~20mぐらいの浅い海に生息。
 サンゴは表面を覆うだけで、この石の骨格が積み重なり、長い年月で、{ サンゴ礁}という巨大な地形を作る。また、{ 石油 }はサンゴの油分がたまったものである。
 サンゴは体内に共生する褐虫藻が 光合成 で作る有機物と酸素を栄養とし、サンゴの排泄する窒素と二酸化炭素は褐虫藻の成長を助ける。また、サンゴは毒針の触手を伸ばし{ 動物 }プランクトンを補食し、海中の有機物を吸収。サンゴの群落には、こぼれ出す栄養分を食べるプランクトンとそれを食べる魚類が集まる。その固い骨格は白色で磨いても{ 光らない}。近年、水温上昇で褐虫藻が生育できず、サンゴが死ぬと白化 が起こる。>白化
 
非造礁サンゴ(宝石サンゴ)は褐虫藻を持たず、水深数百mの深い海でゆっくり成長。緻密で、光沢があり、{ 宝石 }用して乱獲される。

3.サンゴの役割
 サンゴは植物のように二酸化炭素を吸収し、酸素を作る。これはサンゴの働きではなく、体内に{ 共生}する 褐虫藻(藻類)の働きによる。サンゴの二酸化炭素吸収率は、1㎡当たり4.3kg/年で、{ 陸上の植物よりも多い }。サンゴは漂う動物プランクトンを食べるので海水は浄化され透明。また天然の防波堤、他の生物への影響等、地球に大きな役割を果たす。



4.サンゴの敵
 サンゴは、水温上昇や紫外線の強弱で生存できなくなる繊細な生き物。1963年ごろから発生した{ オニヒトデ }は広大なサンゴ礁を食いつぶしているが、一番大きな影響を与えるのは人間。生活排水による水質汚染、開発による赤土の流出、埋め立て、ゴミの放棄、釣りの被害など。{ 環境保全}で、サンゴに目を向けなければいけない時代がきている。

 youtubeを利用
授業予定>サンゴ礁が作る地形 >グレートバリアリーフ >日本のサンゴ礁 >ビキニ環礁